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第40回定期演奏会

孫の時代

常任指揮者  関屋  晋

 岡谷合唱団が40歳を迎えた。本当にめでたいし、嬉しい話である。団体はl0年続くかどうかが、一つのハードルだと言われている。2、3年なら勢いでやっていけるが、10年となると団員一人ひとりの努力がないと続かない。だから10年経つと貯金(成果)ができる。
 岡谷はそんなことを4倍もやっているわけだ。40年と言えば人間では不惑、人格が確立されてきて、社会的責任も重さを増してくるというところだろう。勤続40年というともっと大変なことだ。私なんかが大学を出て、勤めたところにずっといたとしたら、いまの年齢だ。子供を育て、孫も大分大きくなってきたナという年頃だ。こう、考えてくると岡谷の歩んできた道程のすばらしさがわかるというものだ。
 岡谷合唱団の練習風景は夫婦があり、親子があった、叔母、甥がいたり、私からみれば孫みたいな団員がいる。この広がりがいいんだと思っている。ある年齢に偏った40年なんて余り意味がない。次の世代を育ててこそ貯金ができたと言えるのではないだろうか。
 今日演奏する曲の中には、岡谷と私の最初の出会い、ウィーンの楽友協会ブラームスザールでの演奏会、長野で開かれた日本初の「アジア・カンタート」そして今年夏、小澤征爾「サイトウ・キネン・オーケストラ」との共演までの思い出に残っている曲目を並べてみた。写真帖を懐しく見る感じだ。
 今日から21世紀へ向けての10年を歩み始めるわけだ、心新たに日本の合唱を考えて進んでいきたいと思っている。
(1993.11.27 第40回定期演奏会プログラムより)


創立40周年にあたり

平成5年度幹事長 池上 博之  

「継続は力なり」、薩摩会長のことばをモットーに岡谷合唱団はここに創立40年を迎えました。
 郷土に文化をとの思いから、その間、1600人余の団友たちに巡り合い、音のハーモニー、心のハーモニーをと、今日までやってきました。
 岡谷合唱団の前半20年間を青年期、後半20年間を壮年期とすると、「青年期」では、渡辺功先生の計算された音楽指導の元に全日本合唱コンクールを基盤に岡谷合唱団を中部から全国へと合唱団の存在を知らしめ、定期演奏会では、中央からソリスト、オーケストラを招き団員のコーラスへの楽しみや、地域への音楽普及を、情熱を駆り立てて合唱団の土台を、骨組みを作った時期であったと思います。




 「壮年期」では、関屋晋先生をお迎えして演奏会活動を中心に、より高い音楽技術と、幅広い音楽性の指導を受け、ウィーンではその空気と、教会での演奏で日本では感じられない音の響きに身を震わせました。

 これからは、今まで築き上げた骨組みを、関屋先生からいただいた音楽と、晋友会からの刺激で、合唱団の肉付けをして行く時だと思います。もっともっと、大きくなる時です。
 40年を振り返り、これからの岡谷合唱団は何をすべきか、何をやらなければならないかを、団員と共に考え、新たな出発点にしていきたいと思います。

選曲にあたって

私たち岡谷合唱団は毎年の定期演奏会にあたり、どんな曲を取り上げたらいいものか迷うところです。合唱の原点であるヨーロッパの教会音楽の長い歴史を経て今に残っている多くの名曲は、必ず一度はやってみたいと誰もが思うのですが、合唱団の現状に合わないものも多く、これらをふまえた上で、今年の第一ステージは、普段あまり演奏された事のないドヴォルザークのミサ・ニ長調を選びました。
第三ステージは、関屋先生が岡谷の常任になられて11年。その中から思い出深い曲をえらび、お話を交えて演奏します。心からの感謝を込めて。

第一ステージ 

●ドヴォルザーク
ミサ・ニ長調《op.86》


指 揮/関屋  晋
ピアノ/今井まな美
 KYRIE
 GLORIA
 CREDO
 SANCTUS
 BENEDICTUS
 AGNUS DEI

第二ステージ

●ドヴォルザーク
ミサ・ニ長調《op.86》


源田俊一郎 編曲
独 唱/菅 千鶴子
指 揮/佐原  武
ピアノ/今井まな美

 《イギリス編》
アニーローリー
グリーンスリーブス
ロンドンデリーの歌

《日本編》
この道

浜辺の歌
荒城の月

《ドイツ・
  オーストリア編》
ローレライ
野ばら
ウィーンわが夢の街 

第三ステージ

●OYAJI in OKAYA
   since 1982
おやじ イン おかや


指 揮/関屋  晋

《神舞》
 「花の伝言」より
《O Schöe Nacht》
四つのスロバキア民謡
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Libera me
《にわのことりが》
《ヒロシマにかける虹》

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